不眠症対策に新しい考え方 認知行動療法で薬依存を軽減
5月19日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
不眠症治療に新しい考え方が登場している。現在の主流は睡眠薬の処方だが、使い方や依存の問題には気を付ける必要がある。薬の量を減らすため、精神療法の一種「認知行動療法」が役立つと最近考えられるようになった。ただ、人材不足もあって普及には課題が多いのが現状だ。
◆不安持つ人多数
「慢性の不眠症患者には、昼間から『今夜は眠れないんじゃないか』と不安を抱いて過ごす人が少なくない」と話すのは、日本大医学部の内山真教授(精神医学)。不安を抱えたまま寝床に入ると感情が高まって目がさえ、余計に眠れない悪循環が起きる。「眠れない不安を持つ人に『明日から規則正しい生活をしなさい』とだけ言っても逆効果。ただ、以前は患者にそうした助言をする例が少なくなかった」という。
臨床心理士で日本大医学部助手の宗沢岳史さん(人間科学)は「苦し紛れに寝床でテレビを見たり本を読んだりすると、さらに事態を悪くすることがある」と話す。
本来は「眠る場所」だった寝床が、気持ちの中で「眠れない苦痛を伴う場所」「起きて活動する場所」と条件付けられるため。入眠障害や中途覚醒(かくせい)の原因になり得る。
こうした悪循環への対処法について、内山教授は「無理に眠ろうとしないことだ」と指摘する。いったん寝床から抜け出し、落ち着いた照明で趣味などを楽しんで過ごす。「眠くなったら寝床に就く」という気持ちなら、不安にさいなまれることも少ない。
毎日決まった時刻に寝床に入ろうというこだわりから抜け出すことも重要。睡眠時間が足りないと感じても、朝は決まった時間に起き、太陽の光をたっぷり浴びる。「不眠を訴える人は、睡眠へのこだわりから長く眠ろうとしすぎる場合が多い」と、内山教授。睡眠時間と糖尿病、高血圧、高脂血症などとの関係を調べた各種の疫学研究では、7時間前後が最も病気のリスクが低いとの報告が出た。「健康維持に寝過ぎは逆効果。ほどほどの睡眠時間が一番だ」
「眠れなければ寝床から離れる」といった対処法は、強い不安やこだわりによって誤って学習された行動を修正する認知行動療法の考え方に基づいている。治療者との話し合いを通じて、患者が自分の考え方の問題点を直視し、適切な考え方に基づいて対処法を学んでいく手法。欧米では、ここ10年ほどで不眠症や不眠不安に有効との見方が主流になった。
宗沢さんは国内では数少ない不眠症の認知行動療法の研究者。これまで数百人にカウンセリングを実施した経験を持つ。
◆「集団討論」に効果も
宗沢さんらは睡眠薬への依存に悩む患者約120人に、段階的に薬を減らすためのカウンセリングを実施。その結果、41.5%が服用をやめることに成功し、薬の量を半分以下に減らすことができた20.3%と合わせると、61.8%が依存から脱することができた。
不眠症への認知行動療法は新しい分野のため、専門知識を持つ人材が少ない。1人の患者に要するカウンセリング時間が1回に数十分から1時間と長く、大勢には対応できない。保険も適用外で、正規の治療プログラムを設けている医療機関は今のところ国内にない。
「今後の普及に役立ちそうなのは集団療法だ」と、宗沢さん。20人ほどの患者が互いに討論しながらカウンセリングする手法を試みたところ、十分な効果が期待できることが分かった。宗沢さんは「少しでも薬に頼らない不眠症治療の可能性を広げたい」と話す。






不眠症に限らずですが、
焦りや不安といった心の負担が
体にも大きな影響を与えます。
色んな事を心配してしまう方は
体の力を抜くのが苦手な場合が多いです。
ご本人は力を抜いているつもりなのに
無意識に体に力が入ってこわばっている・・・
その状態では横になっていても、体はリラックスできないですよね。
長時間、力が入っていることで、体のゆがみにもつながっていきます。
するとますます力が抜きにくくなる。 ⇒ 寝にくくなる。
一度、体のゆがみチェックをされてもいいと思いますよ。
あと、思考についてですが
何事も 「○○しなければ」 と、決めつけることはないんですよね。